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メルカリ派遣・空飛ぶクルマ・STARTUPs×知財戦略から考えるアジャイルな政策実現(アスキー) | サラリーマンの気になるニュース!

2019/7/24
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メルカリ派遣・空飛ぶクルマ・STARTUPs×知財戦略から考えるアジャイルな政策実現

[元記事]
大企業とスタートアップの距離が変化しているように、政府の動きもまた変わりつつある。変化の中心にいるのは、「空の移動革命」の革命家、スタートアップ「レンタル移籍」第一号、そして「STARTUPs×知財戦略」の仕掛け人といった若手官僚だ。この3人は何を想い、何を語るのか。

霞が関に新しい風が吹き始めた。大企業とスタートアップの距離が変化しているように、政府の動きもまた変わりつつある。だが、これまでの“霞ヶ関改革”といったい何が違うのか? 変化の中心にいるのは、「空の移動革命」の革命家、スタートアップ「レンタル移籍」第一号、そして「STARTUPs×知財戦略」の仕掛け人といった若手官僚だ。この3人は何を想い、何を語るのか。【もっと写真を見る】

若手チームを中心に、プロジェクトベースで外部を巻き込む
 特許庁の「STARTUPs×知財戦略」と経産省の「空飛ぶクルマ」プロジェクトは、ASCIIをはじめ、ビジネスやテクノロジー、スタートアップに関するメディアで取り上げられている。2つの取り組みに共通するのは、若手官僚が中心となり、これまでにないスピード感で進められている点だ。従来の政策の進め方とは、どのような違いがあるのだろうか。
 
松本氏(以下、敬称略):特許庁のスタートアップ支援政策は2017年から始まりました。それ以前は、中小企業政策のひとつとして細々とやってはいたものの、スタートアップにはまったく響いていなかった。一方で、特許庁の中心ユーザーであった大企業や大学の課題が変わってきていた。大企業にはスタートアップとの協業によるオープンイノベーションの流れがあり、大学では、研究室で生まれた知財を活用した企業が出てきています。こうした動きから次代のイノベーションのためにスタートアップにフォーカスをして支援する必要があると考えました。
 
 この新しい施策は、我々若手からのボトムアップで始まったので、“やるべきだからやる”という信念がチームの一体感を生んでいます。さらにもうひとつの違いは、人材の多様性です。我々スタートアップ支援チームには、審査官や事務官など特許庁プロパーだけでなく、弁護士、弁理士、大企業の知財部OBでシリコンバレー駐在経験のある方がいます。いろいろなバックグラウンドの方が集まっているおかげで、柔軟な考え方や発想がしやすいのだと思います。
 
STARTUPs×知財戦略
 特許庁はスタートアップの知財戦略をサポートするため、2018年7月にベンチャー支援班を設立。メディアやセミナー、イベントを通じたPR活動、スタートアップの知財専門家をつなぐコミュニティーづくりに取り組んでいる。支援メニューとして、知財戦略の構築をサポートする「知財アクセラレーションプログラム(IPAS)」、最短2.5ヵ月で権利化できる「ベンチャー企業対応!面接活用早期審査・スーパー早期審査」、スタートアップの海外展開を支援する「ジェトロ・イノベーション・プログラム(JIP)」、特許料等が3分の1になる「料金の減免制度」を矢継ぎ早に実施。また、国内外の企業の知財活用事例を集めたコンテンツの提供、知財専門家とつながる場として、スタートアップの知財コミュニティポータルサイトIP BASEを開設している。
 
海老原氏(以下、敬称略):僕が空飛ぶクルマをやっている理由は、空の活用を拡げて大衆化したい、という大きな社会課題もさることながら、これをきっかけに政策立案手法を見直したい、という考えがあります。
 
 若手中心でやっていく手法もそうですし、役人だけのチームではなく、プロジェクトベースで外部から最適な専門人材を入れ、我々に足りないパーツを埋めてもらいつつ、その人にとってのキャリアパスにもつながる、という仕組みづくりを進めたい。この場合、「空飛ぶクルマ×働き方」がテーマとなります。
 
 政策は、上層部の会議体で大きな方針を決めることが少なくないですが、今回は世論から先に巻き込んでいく方向を取っています。少しずつ緩やかなコミュニティーをつくっていくことで、新しい政策がアジャイルに生まれては消え、修正されていくような、新陳代謝を生み出すケースとしていきたいんです。
 
「空飛ぶクルマ」プロジェクト
 空飛ぶクルマとは、電力を動力源とし、自動操縦で垂直離着陸ができる航空機のこと。広い場所や陸路のない場所でも離着陸できるので、離島や山間部などへの物流、災害時の搬送などへの活用が期待されている。「空の移動革命に向けた官民協議会」が2018年12月に発表したロードマップでは、2019年より試験飛行や実証実験等を実施し、2020年代を目標に事業をスタートさせ、2030年代以降の実用化に向けてさらに拡大させていく予定。空飛ぶクルマの実現へ向けて、経産省の若手有志を中心に「空飛ぶクルマ」プロジェクトを組成。このプロジェクトに週1日、副業・兼業で参画するプロフェッショナルを「週一官僚」として公募したことでも話題に。
 
 新しい分野において、スタートアップのようなスピード感を生み出すために、省庁の現場も変わり始めている。2018年5月には、ブランドとイノベーションを通じて、企業の産業競争⼒の向上に寄与する「デザイン経営」宣言(PDF)も発表されている。
 
松本:特許庁では、宗像直子長官のリーダーシップで「デザイン経営」を自ら率先して進めており、ボトムアップで始めたスタートアップ施策にも幹部の深い理解が得られています。時代の流れとトップの意識、我々がやりたかったことがうまくマッチしたと言えます。まずは観察し、人に話をたくさん聞き、自らその立場になりきり、何が潜在的に求められているのかを先入観を取り払って考え、とりあえず実行に移して試すことを繰り返す、というデザイン経営のアプローチがスタートアップ施策をはじめとして組織に浸透しつつあります。
 
海老原:省庁の現場では、昔は尖がった個人がいても仲間を増やす手段が少なかった。今は、個人が発信する手段が多様にあるので、仲間を集めやすい。「空飛ぶクルマ」プロジェクトの場合、メディアを通じて知った方からアプローチがあり、いろいろなコミュニティーに参加するようになりました。
 
 もともと経産省は自由な風土で、やりたい思いがあれば、やれる組織。「空飛ぶクルマ」プロジェクトでは、意思決定プロセスを超簡素化し、重要事項のみ局長に一言相談してすぐに進める、という流れでした。
 
八木氏(以下、敬称略):従来の役所は、所管業界がやりたいことを聞き取り、それを実現をすればよい部分も多かった。ですが、変化のスピードがかつてとまったく違う今、我々も、さまざまな業界の企業やスタートアップと一緒に考え、まずはやってみて、修正を繰り返していかなければ、世界に勝つ政策は作れません。時代を先読みした政策を作るには、、プロジェクトベースの進め方が合っているように思います。
 
 霞が関とスタートアップの文化は対極にあるともいえるが、お互いの文化を理解しなければ、支援や協業は難しい。そこで、経産省が新たに始めた取り組みのひとつがスタートアップへの「経営現場研修」プログラムだ。八木氏は、経営現場研修の第一号としてメルカリ・メルペイに派遣した。スタートアップで働いた経験から、どのようなことが得られたのだろうか。
 
スタートアップとのギャップを埋めるため、まず相手に飛び込む
八木::私は2018年の8月から2019年3月までの8ヵ月間、メルペイの経営企画チームとメルカリの政策企画チームで働いていました。省の外に出たら、新しい景色が広がっていました。
 
 ツール利用ひとつとっても、コミュニケーションにSlack、情報共有にGoogleのG Suiteを使うなど、事務作業が効率化され、生産性が非常に高い。意思決定についても、上司が部下に指示をする昭和的な方法ではなく、1on1ミーティングなどを使い、チームの力を引き出す方法に変わってきている。せっかく勉強させてもらったので、その学びをフルに活かし、今担当している、省内の働き方改革や採用のあり方などをどんどんアップデートしていきたいです。
 
松本:特許庁でも、取り組みを始めるまでスタートアップとの接点すらなかったので、最初の立ち上げは苦労しました。まずは、界隈の方にダメもとでアプローチをして、いろいろな検討会に入ってもらい、そこからの人の紹介などを通じて、徐々にネットワークを広げていきました。さらに、接点ができた相手のコミュニティーに特許庁が積極的に出向き、イベント登壇などをさせてもらうことで、スタートアップの方々と少しずつ信頼関係を築いていった感じです。やはり飛び込んでみることが大事ですね。私も投資家・千葉功太郎氏の千葉道場で「知財道場」に登壇したり、スタートアップに混じって100秒ピッチに出場したりしました。
 
海老原:空飛ぶクルマのプロジェクトでも、スタートアップと政府の距離を近づけることが課題でした。政府がまったく関与しないところでSkyDrive社は空飛ぶクルマを開発し、AirX社はヘリコプターのライドシェアをしています。彼らも、将来どのような制度になるのか、国としてのビジョンを知りたいはずですが、そのビジョンを担うはずの管轄部課が経産省になかったのです。そこで、彼らとコミュニケーションをとるために出向き、いろいろなスタートアップの声を聞くようにしました。
 
松本:最初にスタートアップの方とお会いして話をして感じたギャップは、知財が経営課題のレベルで必要だと思っている人が想像以上に少なかったことです。特許に対して、ネガティブなイメージを持っている方も少なくありませんでした。
 
 「オープンイノベーションやシェアリングの時代に、独占しているのはカッコ悪い、特許なんて時代遅れ」とおっしゃる方もいました。我々はずっと知財に関わってきて、独占だけじゃなく他者との連携や、信用の裏付けとしても機能することを常識として知っていますが、これはすごく狭い世界での常識。じつは特許自体は、「知」を扱うインフラとして公開の仕組みなど、むしろオープンイノベーションを進めていくための制度なのに、世間には誤解されている。このギャップを埋めることに苦労しました。
 
 また、必要性を感じている場合も、トラブルが起こってから対処すればいい、と思っている人がほとんどです。しかし、知財に基づく利益はJカーブ。もちろん価値を生まないリスクもあり、その最小化は初めが肝心。つまり知財をビジネス上で活用するには、投資的な発想、価値評価が必要です。日本のスタートアップエコシステムはまだ十分に成熟していないため、知財での成功/失敗例が少ないのですが、米国や中国では、知財を活用して成功した企業、失敗した企業がたくさんあり、必要なら真っ向から戦うことも是とされる。国内にも数少ないですが先駆者、有識者がいます。こうした方にご協力いただき、地道にPR活動を続けつつ、我々も知財の存在意義を自ら問い直し、現場の生の声から学び続けることが大切だと考えています。
 
大きな組織がグローバル競争で勝てるスピード感をもつには
八木:経産省でも世界の情報をアップデートするため、各地に足を運び、駐在を置き、情報を得ています。ですが、実際にグローバルで勝てる経済政策を作るには、経営的な視点や技術的な感性を加えることが重要だと考えています。スタートアップで活躍している経営者・技術者たちは世界を飛び回り、独自のネ

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